アーユルヴェーダ塾ジュニャーナ塾長日記

アーユルヴェーダについて学ぶアーユルヴェーダ塾ジュニャーナを主催している「塾長」が古典書にもとづいたアーユルヴェーダのお話を日々綴っています。

仕事について考える~その6~

こんにちは。アーユルヴェーダ塾ジュニャーナの塾長です。

 

前回まで「ダルマ」のお話をしたが、今回は「アルタ」のお話。

「アルタ」の意味は「実利」
「お金を稼ぐ」ことも人生の中の一つの目的であるといわれている。

 

実は、この考え方に日本人は抵抗を感じる人が多い。
「お金を稼ぐこと」が「卑しい人」「がめつい人」「なにか悪いことをしているのではないか」というマイナスなイメージが強いからだ。
日本はそもそも島国で資源に恵まれていない国であり、戦争も経験していて非常に貧しい時代を経てきているので、どうしても質素倹約、清貧の思想といった言葉が美徳されるお国柄なのだ。

 

インドでも「不貧(ふとん)」と言って貪ってはいけない、必要以上にお金や物を所有しない、という考え方もある。お金は欲望を生み出すからだ。
とはいえ、これは出家などをする人を対象としている考え方である。

 

出家などをしない一般人は「お金を稼ぐ」ことが人生の目的の一つであり、解脱への道と考える。

なぜなら、お金がないと前回お話した「ダルマ」を守ることができないからだ。
ダルマには法を守ることでもある。
お金がないと泥棒をしたり、よからぬことをやらかしてしまうからだ。
泥棒は法に反する。道徳や倫理からはずれた行為もダルマを守っていないことになる。
ダルマは役割や使命を果たすことでもある。
家庭を守ったり、子供を育てることが役割であれば、お金がなければ家庭を守ったり、子供を育てることができない。
使命を果たすには学ぶことが必要な時もある。
ヨガのインストラクターになってヨガを広めるのが使命だとしたら、ヨガを学ぶためにスクールへ行ったり、資格を取らなければならない。
そのためにはお金がなければできないのだ。

また、お金があればお布施をしたり寄付をしたり、社会貢献や誰かの役に立つこともできる。
例えば、どこかで災害がおこりボランティア活動をしたくても交通費がなければ行けないし、長靴や軍手を買ったりすることもできないのだ。

様々な観点から「お金を稼ぐ」ことを推奨しているのだ。

 

では、アーユルヴェーダでは「お金を稼ぐ」ことについてどう考えるのか。
アーユルヴェーダの元祖教科書のチャラカ・サンヒターでもお金を稼ぐことについて触れられている。医学書なのに「お金を稼ぐ」ことに触れられていることがおもしろく非常に納得ができる説明がされている。

 

前回もお話したがアーユルヴェーダでは心の「ざわつき」も病気である。お金がないと「明日の支払いどうしょう」「来月からどうやって生活していこう」などというような不安と心配で心の「ざわつき」がおきる。
それが病気なのだ。

 

アメリカのある調査で、借金がある人のストレスは、借金のストレスのない人に比べて心身にどのような影響があるのかを調査した結果がある。

借金のストレスがある人は、借金のストレスがない人と比べて
睡眠時間が少なくなる傾向が13倍以上
深刻な不安を抱える状態が7倍以上
他人に八つ当たりする傾向がほぼ7倍
深刻なうつ状態になる傾向がほぼ6倍
潰瘍や消化器系の病気になる傾向が4倍
心臓病や偏頭痛になる傾向が2倍

という結果がでている。

現代的にも「お金がない」という悩みから病気の発症率が高くなることが理解できる。

アーユルヴェーダは病気の治療だけではなく、病気が発症しないように予防する方法を教えてくれる学問である。
そのため、アーユルヴェーダでは「お金を稼げ」と言う。
なぜなら、アーユルヴェーダでは不安も心配事も病気。
病気である不安や心配事を起こさせないためには「お金を稼げばいい」という非常に単純明解な理論なのだ。

お金を稼ぐことで生活が豊かになり快適になれば不安や心配事も起きない。
つまり病気にならないのだ。
もちろん、欲望に溺れてお金を貯めこむことではないし、人から奪ってお金を稼ぐことではない。
人にバカにされたり非難されないような仕事に携わるべき、ときちんと注意されている。

また、お金がなければ病気の治療はできない。
お金がなくて病気の治療ができなければ、死ぬほどの重症な病気ではなくても死を招くこともある。貧困率が高い国で寿命が長い国などない。日本では考えられないような病気で亡くなる方が世界にはたくさんいる。

日本では健康保険制度があるので(いろいろ問題もあるが・・・)、病院の窓口で大金を払う必要はなく、小児の医療費が無料の地域も一部あるが、大人は健康保険料を払っていてもいくらかはお金を払わなければならない。

また、お金があれば治療の選択幅も広がる。
わかりやすいのが「歯」
差し歯を作るのに保険の範囲内で作ったものと自費で作るものではかなり見た目が違う。
余談だが、アーユルヴェーダでは見た目も大事だ。見た目が悪いと「こんな歯じゃ笑えない」「変な風にみられてないか」などと心がざわつくから見た目も大切なのだ。
美しい差し歯にするのには10万~20万円なんてかかる場合もある。
お金があれば自費で美しい歯を手に入れて口元を気にせず「満面の笑み」で生活できるのだ。
それが病気の予防になるのだ。

それから、お金があれば保険がきかない先進医療を選択することができる。
未認可の薬を使うこともできる。
インドへ行って本格的なアーユルヴェーダの治療を受けることも可能だ。
インドへ行かなくてもアーユルヴェーダの薬草を輸入する場合には、
安全性を考えるとそこそこのお値段のものを選んだ方がいいしね。
現代は、お金さえあればいろんな病気の治療ができる時代だ。
怪しいものもたくさんあるので何を選択するかはまた別の話だが、
いろんな治療の選択ができることは、寿命を延ばせる確率も高くなるのだ。
アーユルヴェーダは長寿を目指す医学でもある。
そのためには「お金を稼ぐ」ことが大切なのだ。

 

このブログを読んでいる方の中で出家を目指している人はそう多くはないはず。
ほとんどの方は出家のご予定はないと思うので、気兼ねせずにバリバリとお金を稼いで病気を予防してね。