アーユルヴェーダ塾ジュニャーナ塾長日記

アーユルヴェーダについて学ぶアーユルヴェーダ塾ジュニャーナを主催している「塾長」が古典書にもとづいたアーユルヴェーダのお話を日々綴っています。

【再掲載・訂正版】アーユルヴェーダの食事 ~カフェインは悪か?~

こんにちは。アーユルヴェーダ塾ジュニャーナの塾長です。

 

以前、こちらの記事を掲載しましたが、一部に誤りがありましたので、

訂正し再度掲載いたします。

 

 アーユルヴェーダやヨーガを実践されている方や健康志向の方に嫌われる食べ物というのがある。
ジャンクフードや添加物満載の食べ物は嫌われても仕方ないかなぁ、と思うのだが、なぜそんなに嫌うのか?と思うものもある。
その代表格が「カフェイン」だ。

塾長は飲食物に良い・悪い、というレッテルを貼るのが大嫌いである。

どんな食べ物でも「良いも悪いもない」と思っている。
体に良いとされる食べ物でも食べ過ぎれば体には悪い。
世間一般に体に悪いと言われる食べ物でも、それしか食べ物がなければ命をつなぐ良い食べ物になる。

極端だが災害が起こり食べ物がない時にカップラーメンで命をつなぐことができる。

山で遭難し救助された人は、おやつで持っていたチョコレートなどで命をつなぎ助かることも多い。

そう考えると食べ物に「良いも悪いもない」のだ。

 

アーユルヴェーダの元祖教科書であるチャラカ・サンヒターにこんなくだりがある。
師匠が弟子に「薬になるものを持ってこい」と指示をする。

弟子は悩んだ挙句、なにも持たず師匠の前に戻ってくる。師匠は弟子に「なぜに手ぶらで戻ってきたのか?」と問う。
弟子は「この世に、薬にならないものなどありません。

ですので、すべてを持ってくることは不可能です」と答える。
つまり、この世の物は全て薬になり悪い物なんてないってことをチャラカ・サンヒターでは教えてくれている。

 

アーユルヴェーダやヨーガはインド産だ。

そして、インドといえば、言わずと知れた紅茶の国だ。

チャイ売りが町中をうろうろしている国だ。

実は、日本ではあまりイメージはないがインド産のコーヒーも世界的には有名。

コーヒーの輸出量はインドは世界7位だ。

アーユルヴェーダやヨーガをやっている人が紅茶やコーヒーを毛嫌いするのはインドの食文化や産業を否定しているのではないか、とも思ってしまう。

 

カフェインが毛嫌いされる理由を探っていたら、ヒンドゥー教やヨーガの聖典でもあるバガヴァッド・ギーターには、このような件があった。

「苦味・酸味・塩味・熱い、辛い、乾燥した刺激性の強い食物は、ラジャス(激質)の人たちが好んで食べるが、こうした食物は、人に苦しみや悲しみや病気を引き起こす(B.G/17/9)」

塾長の勝手な推測だが、この一文から苦味や刺激をもつコーヒーや紅茶が毛嫌いされるのに至ったのではないか、と思う。

ヨーガは感覚器官をコントロールし心の活動を鎮める行為。

コーヒーや紅茶のように香りや味がよいものは嗅覚や味覚を刺激する。

中毒性もあるので中毒性のあるものは欲望をうみだすので、欲望を抑えるためにカフェインのような刺激のあるものは避けるべきなのであろう。

 

とはいえ、アーユルヴェーダは6味(甘味・酸味・塩味・辛味・苦味・渋味)をバランスよくとりなさいとある。

「どっちやねん!」と混乱してしまう方がいる。

どっちも正しい。

バガヴァッド・ギーターも別に刺激の強い食物を「ダメ」とは言ってはいない。

ヨーガは心を良くするものなので、心が欲望や執着を産むので心を乱すものを摂りすぎないように言っている。

アーユルヴェーダは身体を良くするものなので、身体のためにはバランスよくなんでも食べましょう、と言う。

どちらも間違えではなく、どちらも正しい。

 

 現代的にみればカフェインは覚醒作用があるので、目覚めのコーヒーは理にかなっている。

また、利尿作用があるため体のむくみをとったり血圧を下げる作用もある。

そのほか、解熱鎮痛剤として風邪薬にも入っている。

強心作用もあるとも言われている。

コーヒーの香りは認知症予防になるともいわれている。


余談だが、塾長の祖父は喫茶店を経営していた。

祖父はもちろん祖母、両親ともにコーヒー好きで毎朝コーヒーを飲んでいた。

日本茶も好きで食後は必ず飲んでいた。

みんなスリムで血圧も高くなく、心臓が丈夫で認知症になることもなく死ぬまで頭はしっかりしていた。

エビデンスはないが、これはコーヒーなどのカフェインの効果なのではないと密かに思っている。

 

カフェインは胃が荒れるとか胃が痛くなると言う方もいるが、カフェインを胃で分解するときに胃酸が多くでる。

そのため自分の胃酸で自分の胃酸を荒らすので胃が痛くなるのだ。

それは、カフェインが悪いのではなく、カフェインの作用を知らずに自分の体に合っていない量を飲んだ自分が悪いのだ。

中毒になるほど飲んでいる方は、カフェインのせいで中毒になったのではない。

なぜカフェイン中毒になるほど飲んでしまったのだろうか?

病気には必ず原因がある。

仕事が忙しすぎるのかもしれない、忙しすぎるのは物理的に仕事が多すぎるのか、自分の仕事の効率が悪いのか、忙しそうにしている方が人から認めらえると勘違いしているのか・・・必ず病気を引き起こす原因がある。

原因をみつけて原因を取り除くことがアーユルヴェーダの治療法の一つである。

 

体に良い、とされているものでも合わない人もいる。

カフェインだけが特別に悪いわけではない。

玄米は身体によいとされているが玄米アレルギーの人も山ほどいる。

フルーツも健康的な食べ物と思われているがフルーツアレルギーの人もいる。

カフェインは気管支を拡張させる作用がある。

塾長は喘息もちなので、軽い発作がでそうなときは予防でコーヒーを飲むと落ち着く(人それぞれだからみんながみんな効果あるわけじゃないよ)

とある人にとってはコーヒーが身体に悪くても、他の人にとってはコーヒーは薬になることもあるのだ。

どんな飲食物でも良い点、悪い点という2つの側面がある。

一つだけの側面だけをみていてはいけない。

日本人は一つだけの側面しかみていない人が多い。

「なにそれを食べると痩せる」「ハリウッドセレブが食べている●●を食べるときれいになる」「△△は身体に悪い」なんていう言葉に踊らされやすい。

カフェインだけを悪者に仕立て上げる理由はない。

カフェインにも良いところもちゃんとあることを知り、自分にとって必要か必要でないかを見極める「知性」をもつことが、アーユルヴェーダでもあり、ヨーガでもある。

 

カフェインをアーユルヴェーダ的にもう少し説明すると、コーヒー、紅茶、緑茶などは「苦味、渋味」をもっている。

苦味、渋味はカフェインと言うよりもタンニンだ。
苦味、渋味は乾燥性、冷性、軽性という性質をもっているので、同じ性質をもつヴァータを増やす。

が、インドのチャイやコーヒーはミルクや砂糖がたっぷり入っていて熱々で飲む(インドにはアイスチャイはない)
ミルクや砂糖はヴァータを減らす甘味や油性、重性という性質をもつのでヴァータを増やさない。

また、インドは暑い国である。

チャイはスパイスが入っているのでピッタを増やすように思えるが、むしろ暑すぎる気候はピッタにともなう消化力(アグニ)が落ち体力が弱くなるのだ。

日本でも夏の暑い時期は食欲が落ち夏バテや夏痩せしたりするでしょ。

消化力を上げるためにも熱々でスパイスが入ったチャイを飲むのだ(同じ理由でスパイス料理を暑い国は食べるのよ)インドの気候にあったドーシャをバランスさせる合理的な飲み物なのだ。

 

身体に合わない人、飲みたくない人はカフェイン飲料を飲む必要はないけど、飲みたい人は無理に我慢することない。

無理に我慢してイライラするぐらいなら、一日1杯か2杯とかってルールを決めて飲めばいい。

イライラもアーユルヴェーダでは病気だ。

 

アーユルヴェーダでは飲食物を摂るさいの決まりごとがある。

これらを守ることで健康や長寿を手に入れることができるとされる。

 

・ 適量を守ること
・ルールを守ること
・季節にそった物を摂ること


カフェインの適量は下の厚生労働省のホームページに記載があるので参考までに

食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A 〜カフェインの過剰摂取に注意しましょう〜 |厚生労働省

ルールは一日2杯まで、夜は飲まない、妊娠中は避ける、胃の調子が悪い時は飲まない、といったルールを守ること

そして、季節もアーユルヴェーダでは大切だ。

人が抵抗することができない季節が体に与える影響はとても大きい。

カフェインであれば、夏もそうだが寒い季節にアイスティーは飲まない。

ストレートティーやブラックコーヒーではなくスパイスをいれて飲むなど工夫をすればよいのだ。

 

飲食物は「薬」だ。

用量用法を間違えず適切な物をとりいれれば体をよくして健康になる。

でも、薬は用量用法を間違えれば体に害を与える。

 

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