アーユルヴェーダ塾ジュニャーナ塾長日記

アーユルヴェーダについて学ぶアーユルヴェーダ塾ジュニャーナを主催している「塾長」が古典書にもとづいたアーユルヴェーダのお話を日々綴っています。

備える ②体の備え

こんにちは。アーユルヴェーダ塾ジュニャーナの塾長です。
今回は「体の備え」について。

このブログを読んでいただいている方は、

意識が高いので新型コロナウィルスの感染は大丈夫だと思うが、
万が一、新型コロナウィルスに感染したとしても「発症しない・重症化しない」ように「体の備え」をして欲しい。


まずは「体の備え」について。
アーユルヴェーダと言えばドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)の話になることが多い。
しかし、ドーシャは目に見えない。

日本人に馴染みがないので理解することも難しい。
ドーシャばかりに意識が行きがちだが、

本来アーユルヴェーダの目的はドーシャうんぬんではなく「オージャス」を「増やし、減らさない」ことである。

「オージャス」は免疫力や活力素と訳されることが多い。
「オージャス」は日本人が理解している免疫力=病気を治す力・ウィルスなどに対抗する力、という理解でもまちがえではないが、

オージャスはもっとたくさんの力をもっている。
その人の「生きるため力の全て」である。
病気を治す力、病気にかからない力も以外にも、排泄力、精力、行動力、精神力、集中力、言葉の力、判断する力、考える力、満足感・・・
生きるためのあらゆる力のかたまりがオージャスである。
オージャスが満たされ「体力、精神力、知力、あらゆる力」がそろった人がアーユルヴェーダの理想的な人である。

 

「オージャスを増やし、減らさず」に生活することがアーユルヴェーダの実践であり、
「オージャス」が新型ウィルスに対する「体を備え」として重要なのである。

 

ついでに言うと「オージャス」を増やす行動、減らさない行動をすることでドーシャは勝手にバランスする。

自分はヴァータ体質だから何を食べてはいけない、何をしたらいけない、なんてチマチマ考える必要はない。
ドーシャを理解しバランスさせることを理解することは大変複雑で難しいが、
「オージャス」を増やし、減少させないことの方が理解しやすく実践しやすい。

ぜひ今からでも遅くないので「オージャス」に注目して「体の備え」をして欲しい。

 

ちなみに、チャラカ・サンヒターでは伝染病はどんな人でもかかると言っている。
伝染病はドーシャのような個人の体質やドーシャの乱れなどの内的要因でかかる病気ではなく、外的要因での病気であり外的要因はどんな人にでも影響を与えるとされる。

 

まずはオージャスを減らす要因をチャラカ・サンヒターから抜粋する。
つまり「オージャスを守るためにやってはいけないこと」だ。
オージャスがイマイチわかりにくければ、免疫力、生命力、生きるパワーでもなんでも良いので自分で理解しやすい言葉で読みかえて読んでほしい。

 

✖ 過度な運動をしてはいけない
体を疲労させることはオージャスを減らす。
ただし、古代インドと現代日本人の運動量はまったく違う。
古代インド人は日常生活が運動である。
水を運んだり、畑を耕したり、歩いて移動していたので日常生活で疲労していた。
そのため、日常生活で体を酷使しているのだから、さらに過度な運動をして体を酷使してはいけない、という意味だ。
しかし、現代日本人は古代インド人とまったく違う生活習慣と運動量なので、
適度な運動が現代日本人には必要である。
特に外出自粛などで普段より運動量が減っている方は家でできる運動や積極的に家事や掃除をしよう。
運動でも心臓に負担がかかるような激しい運動ではない。
例えば、マラソンや過剰な筋トレなどは避ける。
それから、すでに体が疲労している方は運動をしてはいけない。
いますぐ体を休ませよう。
「運動は何をしたらよいですか?」「どれだけやればよいですか?」とよく聞かれるが自分の体力にあった運動でよい。
ちなみに精神的なストレスになるような運動もやってはいけない。
嫌々やるのでは意味がない。
人によって体力も楽しめる運動は違う。
自分の体力にあって、楽しんでできる運動を自分で探して欲しい。
三日坊主では意味がないので毎日継続できる運動をみつけよう。

 

✖ 食事をしないこと(断食)をしてはいけない
1食でも食べないことや食事制限や断食はオージャスを減らす。
なぜなら、オージャスは食べ物を原料にしてできているからだ。
食べないとオージャスの原料がないのでオージャスは作られない。
断食は体に良いと思われているが、その反面、オージャスを減らす。
本来、断食は食べ過ぎによっておこる体調不良や内臓を休めたり、パンチャカルマ(浄化療法)の前段階と行われるものであり、断食後は失ったオージャスと取り戻すための薬草の投与や食事療法がおこなわれるものである。

正しい知識もなく断食をしてはならない。

 

また、アーユルヴェーダは「同質のものは増やす、異質なものは減らす」と考える。
オージャスと同じ質の物を食べることでオージャスを増やす。
パワーがある物、質の良い物を食べなければならない。
それは、新鮮な生命力があるものである。
アーユルヴェーダではよく「土地の物を食べろ」とか「出来立ての物を食べろ」という。
その意味は、収穫してからすぐ食べることは生命力があるからだ。
時が過ぎればパワーなくなり鮮度が落ちてパワーがなくなる。
冷蔵庫の野菜室の奥で見過ごされた野菜が発見がされることがあると思うが、
古くなった野菜はシワシワだったり痛んでいたりする。
見るからに生命力がない。
採れたての新鮮な野菜はみずみずしくて生き生きして生命力を感じる。
そういう生命力があふれた食べ物から生命力をいただき自分の生命力を増やすのだ。

土地の物は流通時間が短いく新鮮で生命力があるので土地のものを食べよう。
炊き立てのご飯は艶々してふっくらして、

見るからにパワーがある。
新鮮な肉や魚、野菜など命のパワーがみなぎっている物を食べて、
自分のパワーを増やすことがオージャスを増やすことである。

また、オージャスが満ちていると精神力、知力も満たされている。

そのため、自分が今何を食べたら良いのか、体がなにを欲しているのか、何を食べたらよいのか、ということを判断できる。

欲望をコントロールできる。
今、自分が何を食べたら良いのかわからない、食べてはいけないもの、食べる必要がないものを食べたい、と思ってしまうことはオージャスが減少していると症状と考えられる。

 

✖ 心配をしてはいけない
愛着、嫌悪、怒り、悲しみ、焦り、不安、嫉妬、惨めな思い、満足しない(足りていることを知らない)、愛欲、貪欲、無知などの精神的ストレスはオージャスを減少させる。
新型コロナウィルスによって不安や怒り、悲しみなどの精神的ストレスを抱えている方もいるだろう。
オージャスを減らすと病気にかかりやすくなる。
オージャスがなくなると死ぬ。
だから、今すぐ心を解放してあげてほしい。
もし、不安や怒りなどのマイナスなことを考えるようだったら、
「ヤバイ!オージャスを無駄使いしてる!」と思ってオージャスを節約してほしい。
瞑想やヨーガの実践も良い。

できるだけ不安や怒り、悲しみから離れて欲しい。
何か好きなことに没頭するもよし。黙々と何かを作ったり、身の回りの掃除をするのもよし。
詳しくは次の「心の備え」で書きます。

 

✖ 乾性の・少量の・限定された食事を摂ってはいけない
オージャスは油性という性質をもっている。

そのため、その反対の性質の乾性の食事を食べるとオージャスが減る。
油性の食事はオージャスを増やす。
肉や魚は油性であり、ゴマ油、ギー、オーリブオイルなどの良質の油をとろう。
自分の消化力や運動量、体質に合わせて適量とって欲しい。
ただし、摂りすぎてはいけない。
油性のものはカパを増やす。
カパは粘着という性質があるので執着や欲望をうむ。
執着や欲望が体と心を崩壊させる。
そして、国と世界を崩壊させる。
伝染病は人間の欲望の結果とされている。

限定された食事というのはバランスの悪い食事のことである。
アーユルヴェーダでは6味(甘味、塩味、酸味、辛味、苦味、渋味)をバランスよく摂取することが基本だ。
6味のバランスが悪い、同じモノばかり食べている、偏った食事でドーシャが乱れる。
なんでも食べ、偏った食事をしないことがドーシャの乱れを防ぎ、オージャスを増やす。
現代栄養学の知識も取り入れ米、肉や魚、野菜、果物なんでも食べよう。
「○○体質だから何を食べたらよい」とか「食べちゃいけない」とか言う方もいるが、それを考えると何を食べてよいかわからなくなる。
オージャスが満たされていれば、知性があるので間違った食事をすることがないので好きなものを食べてよい、とされている。
まずはバランスよく正しい食事をすることを心がけよう。

 

✖ 強い風や日射にさらされてはいけない
強い風や暑い太陽の日差しは身体を疲労させオージャスを減らす。

 

✖ 恐怖を感じたり、悲しんではいけない。乾性の飲み物をのんではいけない。夜更かしをしてはいけない
しつこいようだが精神的ストレスはオージャスを減らす。
暇だからと言ってネットフリックスでホラー映画をみたり、悲しいドラマを観たりするのはやめよう。

観るなら楽しい、ハッピーになる映画をみよう。
インドの歌って踊る能天気な映画はこんな時はおススメである。

乾性の飲み物の代表的な飲み物がアルコールだ。
わかりやすい例がある。
志村けんさんが新型コロナウィルスで重症とのこと。
彼はお酒も好きでヘビースモーカーだったようだ。
ちなみに、タバコも乾性である。
しかも、けんさんは夜遅くまでお酒を楽しんでいたようだ。
夜更かしは体を疲労させる。
そして、おそらく芸能界で生き残るにはストレスも相当あったハズであるし、
独身なので一人で家にいるのは寂しかったのかもしれない。
彼の今の状況はアーユルヴェーダ的に言えば、オージャスを減らすことばかりやっていた結果といえる。

 

✖ カパ・血液・精液(過度な性交)、不要な過剰な瀉血をしてはいけない、瀉血を失敗してはいけない
カパを過剰に出すというのは過剰なダイエットのこと。
つまり断食や過度な運動と同じなのでオージャスを減らす。
精液を過剰に出すことは過度の運動と同じで体が疲労するのでオージャスを減らす。
過剰な瀉血とは過度なデトックスをしてはいけないということ。
また過度なパンチャカルマ(浄化療法)をしてはいけないということ。
過度なデトックスやパンチャカルマは身体を疲労させる。
パンチャカルマはアーユルヴェーダでは推奨される病気の治療法、病気の予防法だが、非常に体力を使う治療法でありオージャスを減らす治療法である。
そのため、パンチャカルマ後にラサーヤナというオージャスを取り戻す治療法とセットで行うようになっている。
まちがったパンチャカルマはオージャスを減らす原因となるので、

アーユルヴェーダ医師のもとで行われるべきである。

瀉血とは血を抜くことであるが血液は食べた物がアグニによって消化され、

血漿→血液→筋肉→脂肪→骨→骨髄、神経組織→生殖組織の順番で肉体が作られ、その結果としてオージャスができる。
血液を抜くことはこのオージャスを作る過程を阻害することになるので、

過度に血液を抜くことはよくないとされる。


しかし、アーユルヴェーダ的には血を抜くことはオージャスを減らすことなので難しいところであるが献血はできる方はやっていただきたい。
感染している可能性がなく、体力がある方はぜひ献血して欲しい。
新型コロナウィルスの影響で献血をする人が減っているらしい。
必要とする血液がなく助かる命が助からないことはとても残念である。
良い行いをすることはオージャスを増やす。
布施のように見返りを期待せず良い行い(カルマ)を積むことは伝染病を治すとされている。

 

✖ 時の過ごし方を間違えること
時とは季節である。
季節は避けられない要因である。
季節は人体に大きな影響を与える。
正しい季節の過ごし方をしなければオージャスを減らす。
また気候変動は伝染病を引き起こすとされている。
日本の大型台風の来襲、オーストラリアの大火事、各国での洪水や異常気象がずっと続いている。
今回の新型コロナウィルスの拡大もアーユルヴェーダ的には予想されていたことである。
今は季節の変わり目で暑かったり、寒かったり気温の変化が激しいさらには、乾燥した強い風が吹いている日が多い。
乾性や強い風はヴァータも悪化させるしオージャスも減る。
それから、時とは時間的経過のことである。
つまり老化だ。
老化はオージャスを減らす。
生物は日々老化している。
老化を遅らせることがオージャスを守ることになる。

 

✖ 悪霊に憑りつかれること
オージャスが減ると目には見えないモノに憑りつかれる。
また憑りつかれるとさらにオージャスを減らす。
古典書では鬼や悪魔といわれるが、ウィルスも目には見えないモノである。
憑りつかれないように気をつけよう。

 

では、オージャスを増やすにはどうしたらよいか?
上記のオージャスを減らすことの逆をやればよい。
アーユルヴェーダの実践とはそういうことだ。
やってはいけないことの逆をするのがやるべき良いことである。
良いことの逆をやるのがやってはいけない悪いことである。

 

上記を簡単にまとめると...
オージャスを増やして新型コロナウィルスに体を備える方法
〇 体を疲労させない程度の適度な運動
〇 バランスの良い食事
〇 精神的なストレスを抱えない
〇 夜更かしをしない
〇 過剰なダイエットやデトックスはやらない
〇 アルコールやたばこは減らす(可能であれば禁酒・禁煙)
〇 季節(その日のお天気)にあわせた対策をする
〇 老化しないように肉体的、精神的に若々しさを保つ
〇 肉体的、精神的に変なものに憑りつかれないようにする(悪い物には近づかない)
  
ネットや本にアーユルヴェーダの一日の過ごし方などがたくさん載っているので、
できることを是非実践してほしい。


わからないことがあれば、コメント欄でもメールでもよいので質問をお受けしますので何かあればご連絡ださい(返事は遅くなるかもだけど)

個人的な体調や病気の相談はお答えしかねますので、ご了承ください。

 

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