アーユルヴェーダ塾ジュニャーナ塾長日記

アーユルヴェーダについて学ぶアーユルヴェーダ塾ジュニャーナを主催している「塾長」が古典書にもとづいたアーユルヴェーダのお話を日々綴っています。

ワクチンの歴史はアーユルヴェーダにあり!?

こんにちは。アーユルヴェーダ塾ジュニャーナの塾長です。

 

新型コロナウィルスが猛威をふるっている。

ワクチン接種も進んでいるがなんだか収束する気配がない。

ところで、ワクチンの歴史をご存知だろうか。

 

天然痘のワクチンが世界初のワクチンとされている。

天然痘は多くの人を長い間悩ませた致死率の高い感染症である。

治癒しても皮膚にひどい跡が残り醜くなってしまうという絶対にかかりたくない感染症の一つだ。

しかし、現在は撲滅することができた感染症

イギリスの医師エドワード・ジェンナーが弱毒化した牛痘のウイルス株を接種することで天然痘を予防できることを示したことがワクチンのはじまりとされている。

当時は牛のウイルスを体内にいれることに反対する人もいたそうだ。

今とあまり変わらない気もする。

脳炎を発症したりすることもあったそうだが、改良などもされて撲滅に至った。

ワクチンによってさまざまな病気を防げるようになった。

ありがとう、ジェンナーである。

 

ワクチンの歴史をさらに遡ると古代インド、そしてアーユルヴェーダがでてくる。

天然痘や病気をつかさどるインドの女神としてマリーアンマンという女神がいる。

神話が書かれた時代に既にインドでは天然痘があったということがわかる。

 

さらにはワクチンの元祖のような記述も古典書にはあるそうだ。

 

バラモン達はまず、男性には手首から肘にかけて、女性には肘から肩にかけて接種場所を決める。

そして布を使って接種する場所を数分間、丁寧にこする。

その後に、針で撫でるように優しく傷をつけて僅かに血が出るようにする。

そうするとバラモン達はリネンの二重布に包まれた一本の糸を取り出す。

この糸は前年に天然痘患者の傷口の膿をつけ、その後乾燥させたもの。

バラモン達は取り出した糸に数滴、ガンジス川の水を垂らして湿らせると、先ほどの血が出ている接種部位につけ、包帯で糸と接種部位を6時間固定。

6時間後に包帯を取って糸が自然に落ちると、天然痘に対する予防ができるそうだ。

また、赤ちゃんを天然痘患者の着ていた衣服でくるむ、といった方法もあったようだ。

現代でいう不活化ワクチンの考え方である。

中国でも天然痘の患者のカサブタを砕いて鼻にいれるというちょっと気持ち悪い方法で天然痘の予防をしていたようだ。

天然痘に感染すると2度目はない、ということを古代の人は経験的に知っていたことがわかる。

ジェンナーはイギリス人である。

ジェンナーの時代にはすでにイギリスがインドから香辛料や綿花などを輸入をして貿易が盛んだった。

インドや中国の方法をジェンナーが知っていたかどうかわらかないが、おそらく知っていた可能性は高いだろう。

 

感染症を引き起こすウイルスや細菌は人類の誕生以前から存在している。

そして、人類は太古の昔から今日まで感染症と闘っている。

アーユルヴェーダは儀式や祈り、呪法から始まり、その経験が蓄積し体系化しアーユルヴェーダとなるが、祈りや呪法が記載されているアタルヴァ・ヴェーダをみると熱病や咳といった感染症を克服するための記述がたくさんある。

感染症に悩まされていたことがよくわかる。

インドではいまだに新型コロナウイルス以外でも感染症のオンパレードでもあるが...

 

ワクチンは治療ではない。

病気の予防だ。

病気にならないようにするのはアーユルヴェーダの根幹だ。

 

感染症によって多くの犠牲を払ってきた人類。

しかし、感染症に打ち克つために古代人やジェンナーをはじめとした先人たちが経験や知識を積んできてきた。

そのおかげで「今」がある。

 

現代医学とアーユルヴェーダなどのような伝統医学は決してバラバラではない。

つながっている。

ただ、現代医学もアーユルヴェーダのような伝統医学も得意、不得意がある。

どちらが良い、悪いもない。

両方のいいとこどり、おいしいとこどりをしたらよい。

 

「今」は未来につながる。

私たちのこのパンデミックの経験が未来の人々に役立つ日も来るだろう。

 

参考

ワクチンの発明:ウイルス対ワクチン 実用化まで苦闘の歴史2000年|NIKKEI STYLE

ナショナル ジオグラフィック ニュース 2020年4月14日付

「医学の歴史」 著:梶田 昭

「アタルヴァ・ヴェーダ賛歌 古代インドの呪法」 訳:辻 直四郎