アーユルヴェーダ塾ジュニャーナ塾長日記

アーユルヴェーダについて学ぶアーユルヴェーダ塾ジュニャーナを主催している「塾長」が古典書にもとづいたアーユルヴェーダのお話を日々綴っています。

「免疫力」にモヤモヤする

こんにちは。アーユルヴェーダ塾ジュニャーナの塾長です。

 

〇〇を食べて免疫力アップ!

免疫力をアップさせる△△サプリ!

免疫力を上げる〇〇ハーブ!

免疫力を上げてウイルスに負けない!

免疫力を下げると病気になる!

...など

 

「免疫力」という言葉が巷に溢れている。最近は特にコロナ禍になり「免疫力」という言葉が大渋滞している気がする。

また「免疫力アップ」という言葉を見たり、聞いたりするとなんだか惹きつけられてしまう。特にアーユルヴェーダに興味があるような健康意識が高い方は余計に反応してしまうのではないだろうか。

 

みんな大好き「免疫力」だが、実は「免疫力」という言葉は医学的にはない言葉だそうだ。つまり、医学的に「免疫力」はなく「免疫力」と言う定義も科学的根拠もないのだ。なんとなく雰囲気で世の中で使われている言葉なのだ。みなさんも「免疫力を説明せよ」と言われた時に口に出してきちんと説明できるだろうか?本来、定義がないのだから説明できるはずないのだか、当たり前に使われているあやふやな言葉が「免疫力」なのだ。そんな訳で「免疫力」と言われるとどうしても塾長はモヤモヤしてしまう。

 

免疫とはシステムであり力ではない。

免疫とは読んで字の如く「疫(病気)から免れる」こと。

ざっくり言うと、我々は常にウイルスの、細菌、カビ、寄生虫、花粉などの外部からの異物に晒されている。その異物が体内に入るとさまざまな問題を我々の肉体に引き起こす。肉体に問題が起きないように様々な免疫細胞が働き身体に異常が起きないようにするシステム。免疫細胞はたくさんの種類がある。それぞれの免疫細胞には役割がある。それぞれの免疫細胞が各々の役割を果たすことで身体が守られる。しかも、免疫細胞は好き勝手に働くのではなく細胞同士が連携し合うことで免疫システムが正常に働く。

免疫はとても複雑で難しい。まだまだわからないこともあるそうだ。塾長は免疫の専門家ではないので詳しくは述べられない。免疫の専門の医師や研究者はたくさんいる。「正しく知る」ためには塾長のような素人ではなく専門の医師や免疫学のエキスパートから学ぶことが大切だ。

では、あやふやな免疫力を無理矢理にも解釈するとどうなるか。免疫がパワーアップすることで健康になったり、病気にならないこと、って感じだろうか。

免疫をパワーアップさせる??

書いていて恐ろしくて寒気がする。免疫がパワーアップすると起こる病気がある。コロナ禍で有名になった「サイトカインストーム」も免疫細胞がパワーアップしすぎた結果起きる。サイトカインと言う本来免疫システムに必要なタンパク質が大量に作られることにより、異常な発熱が起きて全身状態が悪くなったり、正常な細胞を破壊したり血栓を作る。血栓心筋梗塞脳梗塞肺塞栓症などを引き起こす。ご存知のとおり心筋梗塞脳梗塞肺塞栓症は死に至る場合もある。その他にもアレルギーや関節リウマチ、1型糖尿病などの自己免疫疾患も免疫がパワーアップしてしまうことで起きる病気だ。「免疫力アップ」と聞くと塾長はこちらを想像してしまいどうもモヤモヤするのだ。

反対に免疫が正常に機能しない免疫不全もあり、免疫不全によりさまざまな病気が引き起こされる。

免疫細胞も免疫システムもパワーアップしてもパワーダウンしてもいけない。また、一つの細胞だけが機能すればよいものでもない。免疫は安定的に正常かつ効果的に機能することが大切。

では、免疫システムが正しく機能するにはどうしたら良いか。

残念ながら、なにか特定の食べ物を食べたりすることで免疫システムが正しく機能されるわけではない。ビタミンC・Dの摂取、食物繊維や発酵食品を食べていれば良いというものではない。「〇〇を食べて免疫力アップ」「△△ハーブで免疫力あげる」等とあったら要注意だ。

 

免疫システムが乱れる要因は、

疲労

過労

睡眠不足

栄養不良

精神的ストレス

過度の運動もストレスや疲労を引き起こすので避けた方がよいそうだ。確かに、上記のような状態が続くと風邪をひいたり、人によってはヘルペスができたり、帯状疱疹になったりする方がいるのではないだろうか。ヘルペス帯状疱疹も体内に潜んでいたウイルスが免疫システムの乱れによってウイルスが活性化され症状がでる。

免疫システムを安定的かつ効果的に機能させるためには、

疲れすぎない

休養をとる

睡眠

栄養

ストレス解消

適度な運動(ストレス解消やよく眠れるようになる)

規則正しい生活

だそうだ。何も特別なことをするのではなく当たり前のことをすれば良いのだ。

余談だが、お気づきの方もいるだろう。アーユルヴェーダでも上記は言われていることだ。

健康や病気の予防や治癒に良さそうな、それっぽく聞こえる言葉が実はなんの理論も根拠がないことがたくさんある。

あやふやな言葉に惑わされて大切な自分の時間やお金、そして、もっとも大切な健康や命が奪われないようにね。お金のように目に見える財産もだが、健康や命といった目に見えない財産を守るためにも「正しい知識」をつけよう。知識をつけることはアーユルヴェーダでも言われていることだ。塾長もまだまだ勉強が足らない。共に学んでいこう。

 

補足だが...

宣伝のために「△△で免疫力があがる」「免疫力アップで〇〇が治る」「××で免疫力アップしてウイルスに負けない」などを表示すると薬機法(旧:薬事法)、医師法景品表示法などにふれる場合もある。セラピストさんやヨガの先生が読者の中でもいらっしゃるので気をつけていただきたいところ。法令遵守はダルマだ。

また、こういうセリフを全面に出しているところに手を出しそうになった時は、魅力的な言葉に惑わされず、個人の主観などではなく理路や科学的根拠(世界的に認められた研究論文や大規模な研究データがあるか等)があるのか、多数の医者や研究者も同じ考えなのか等、多方面から冷静に考えてみよう。

f:id:ayurvedacramshooljunana:20211013154607j:plain